愛猫チビのリンパ腫闘病記⑤~~4回目の抗がん剤。怖がりな君をひとり病院に残して~

猫とガン

3回目の抗ガン剤治療から2日後。
朝、ズーズーという音で目が覚めた。
キャットタワーにいるチビの方を見ると、右目から涙が出ていた。 治まっていた症状が、また出始めていた。
抗ガン剤は1週間ほど間を空けないと体に負担がかかるらしく、次の診察までヤキモキしながら待った。

今回も血液検査はクリア。
4回目の抗ガン剤は、ドキソルビシンだ。
強めの薬で、点滴で時間をかけて体に入れていく。 副作用として腎臓に負担がかかることを説明された。 そのため、抗ガン剤の投与とあわせて点滴で水分補給もするそうだ。

午前中にチビを預けて、午後6時以降に迎えに来るよう言われた。


「では、お預かりしますね」
看護師さんが、チビを病院用のキャリーバッグへ移す。 いつもと違う雰囲気を察したのか、チビは体を小さく丸めていた。
できれば傍にいてあげたい。 けれど、私がここにいても何もしてあげられない。


「また迎えにくるからね」


声をかけることしかできないのが、もどかしい。 後ろ髪を引かれる思いで病院を後にした。

チビと長時間離れるのは、CT検査をしたとき以来だろうか。
時間が過ぎるのが遅すぎる。 早く時間が経ってくれ、と部屋の中を行ったり来たりした。
怖がりなあの子は、今頃ひとりで恐怖と痛みに耐えているのだろうか。
そう想像するとなんとも落ち着かず、結局、午後5時には病院に着いてしまった。

受付を済ませ、まだかまだかとチビを待つ。
先生に連れられてきたチビは、少し疲れた顔をしていた。
こちらに気付くと、
「ニャー!」
と、大きな声で鳴いた。
よくも置いていったな、と絶対に文句を言っている。


「チビちゃん、暴れたりせずいい子でしたよ」


その言葉に、思わずニヤリとしてしまう。
どうです、うちの子。世界一賢いでしょう?
そう自慢したいのをこらえて、診察台の上で怒っているチビの頭を撫でた。


「頑張ったね。帰ろうね」


いつものキャリーバッグを開けると、チビは一目散に飛び込んできた。
お家へ帰ろう。 美味しいもの食べようね。

今回の費用は18,426円。 預かりの費用もかかり、いつもより少し高めだった。
ところが、財布の中には15,000円少々しか入っていない。
しまった。
チビを迎えに行くことばかり考えていて、そこまで気が回っていなかった。 クレジットカードが使えて、なんとか助かった。

家に着くと、チビは少しご飯を食べたあと、すぐにお気に入りのクローゼットへ直行した。
病院ではずっと気を張っていて、疲れたのだろう。 安心したように、ぐっすり眠っていた。
まだ鼻水や鼻詰まりは続いている。

明日には薬が効いて、少しでも楽になっていますように。 副作用が出ませんように。

クローゼットで眠るチビを見ながら、そう願った。

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