11月の終わり、愛猫が猫風邪をひいた。
猫の名前はチビ。キジ白のメス3歳だ。
症状はくしゃみ、鼻水、涙目。
彼女は幼い頃に猫風邪を患い、季節の変わり目になるとよく体調を崩し病院のお世話になっていた。
だから今回もいつもの風邪だろうと軽く考え、病院に連れていった。
診断結果はやはり猫風邪。いつもの抗生物質と目薬を2週間分もらった。
2週間が過ぎ、1か月、2か月が過ぎても、症状は一向に良くならなかった。
それどころか鼻水に血が混じるようになり、片方の鼻が詰まってブーブーと鳴るようになった。
先生は「今飲んでいる抗生物質が合っていないのかもしれません」と話した。
そこで、原因となる菌を調べる細菌培養検査と、その菌に効く抗生物質を調べる薬剤感受性試験を受けることになった。
1週間後の検査結果は、先生も聞いたことがないという菌だった。
この道20年の先生が知らない菌。まさか珍しい猫風邪ウイルスなのかと少し不安になったものの、有効な抗生物質が分かったので、これでチビは良くなるんだと信じていた。
しかし。
新しい抗生物質は効果がなく、症状は依然として変わらぬまま。
鼻が詰まっているせいで食欲が落ち、体重は3.8㎏から3.2㎏に。
背骨と腰の骨が浮き上がり、触るとゴツゴツしていた。
これはただの風邪じゃない。チビになにか悪いことが起こっている。
先生からは鼻腔狭窄の可能性があると言われた。
鼻の奥が炎症を起こして鼻腔が狭くなってしまう病気。もしそうならCTを撮らなければいけない。
ここでは診られないからと設備の整った病院を紹介してもらった。
鼻腔狭窄は鼻にカテーテルを入れ、鼻の穴を拡げる手術で、費用はだいたい15万円くらい。
当時無職だった自分にはちょっと懐のいたい出費だが、チビが元気になるならそれでいい。しばらく買い物を控えれば済む話だ。
そう、私は呑気に考えていた。
